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構造部分を残し、すべて更新することができる全面改装は、何といっても自由にプランニングできることが魅力です。また、断熱工事に代表されるような住宅性能をアップさせる工事や、床暖房の敷設も人気です。
プランニング時に見受けられる例として、「たぶん無理だろうから」とご希望があっても封印してしまったり、また本当に合った生活スタイルをお客様ご自身が気づいていない、ということもあります。まずは、思い浮かぶイメージやご希望を、小さなことでもすべてお出しいただいくことが大切です。計画段階では、不明な点やご不満な点は、ご納得いただけるまで、何度でも修正、ご説明をいたします。また着工後は、構造体や配管、配線などは工事完了後は隠ぺいされて見ることができなくなってしまうため、工事中をご覧いただきたいと私どもは考えております。
どのような工程でどのように工事が進められるか、ぜひ直接見てご確認いただければと思います。また、配管ルートなど、後々のために写真に残しておかれることもお勧めいたします。

壁や天井の仕上げはクロス(壁紙)貼りが最も多く、次いで塗装仕上げがそれに続きます。漆喰等の塗仕上げは独特の質感が美しく、また最近では健康にもよい珪藻土等もよく選ばれています。同じく健康面を考えて、吸湿性のあるタイルをリビングや寝室に貼り込むという方法もあります。
クロスにも色々な機能を持ったものが販売されており、汚れにくいものや、ペットのいるお部屋等には強度の大きいもの、またリフォーム用に、既存クロスを剥がしたあとの若干の凹凸を目立たなくするタイプのものなどもあります。またクロスを小さいサンプルで見た印象と、実際貼りあがって見たものとが全体のイメージが違うと感じることがよくありますので、選定の際には注意が必要です。
床材もまた機能的に様々なものが出ていますが、こちらは壁天井と違い、直接足で触れることになるため、触った質感もとても大切です。必ずサンプルで、よく確認することが重要です。

建築の平面プランだけを見ていると、そのなかで家具面積がどのくらいを占めるのか、意外とわからないものです。日本の建築の場合、910㎜をモジュールとしていますので、畳長辺や掃き出しの引違い戸2枚がおおよそ1.8mとなり、2人掛けソファーなどがこれに近いサイズとなり、ざっくりした参考になります。
また、書棚やタンスなど、日本では一般的にコーナーに寄せて配置しますが、洋風建築の中では、壁の中央にキャビネット等を配置するという違いがあり、レイアウトの仕方を変えるだけで、広がりを見せたり、雰囲気を変えることができます。狭い空間の場合は、白系等の明るい家具やガラストップのテーブルとする、背の高い家具は置かない、などの工夫で狭さを感じさせないことができます。

最もこだわってリフォームしたい箇所のアンケートをとると、キッチンは必ず上位にランクされます。その位思い入れのあるキッチンほど、使い方も個人差が大きいため、まずはスムーズに動ける動線をしっかりおさえることが重要です。
キッチンのタイプは、「独立型」「オープン型」「セミオープン型」に分類され、セミオープン型に該当する対面型キッチンは根強い人気ですが、カウンターが、物置きスペースになってしまっているご家庭も少なくありません。また、キッチン形状は「I型」「L型」があり、I型を選ばれるケースが大多数ですが、使い勝手のよいL型もぜひご検討ください。
システムキッチンについては、様々な機能が付加されており、ついつい目移りしてしまいますが、ご自身に必要な機能を見極めることが大切です。また、最近は色々便利な調理家電が発売されていますので、後々を考えて電気容量は大きめに敷設しておくことをおすすめいたします。

近年のユニットバスは、床の段差や浴槽のまたぎ高さが低く抑えられているなど、それ自体がバリアフリー機能を備えており、また場合によっては若干サイズの大きいものを設置できたりと、機器の交換をするだけで、安全で、かつ明るく広々とした印象になります。壁の色やデザインも実に様々なものが出ていますので、居室はシンプルにしても、浴室は思い切って鮮やかなカラーにしてみる、というのも一つの手です。
また通称「バス乾」と呼ばれる浴室換気暖房乾燥機は一般の換気扇よりおすすめで、洗濯物が乾かせるのも便利な機能ですが、何より浴室内の温度調整できるため、浴室内外の急激な温度変化、ヒートショックによって引き起こされる心筋梗塞や脳梗塞を予防できます。

洗面室は、洗面コーナーと洗濯機置き場を一室に配置するケースが多く、また浴室に隣接する脱衣室でもあります。そうなると、リネン類や買い置きした洗剤類の収納、たまった洗濯物、バスタオルやバスマットの為のスペース、または掃除用具置き場など盛りだくさんで、意外に充実した空間にする必要があります。
必要な収納量、使い勝手を考慮し、無駄なく空間利用をすることが必要で、スペースに余裕があれば、清掃専用のシンクを設置すると大変便利です。洗面化粧台の選定は、下部の化粧台と上部の鏡がセットになっているタイプと、カウンター、洗面ボウル、化粧台、鏡を個別に選定していくタイプがあります。後者は間口にぴったりサイズのカウンターを特注することもできるので、スペースを有効に使えて見た目もすっきり仕上がります。

水廻りのリフォーム全般にいえることですが、給水・給湯管は、管を通せるスペースがあればどこへでも配置換えできるのですが、排水管は勾配をつけて設置しなければならないため、機器の位置を変える場合一定の制約を受けてしまいます。更にマンションのトイレでは基本的には全面改装でも位置をかえることはできませんので、そのことをふまえて全体のプランニングを行うことになります。
機器の選定については、従来型の便器の上にタンクが乗っているものと、タンクレスのものがございます。後者は見た目もスッキリし、凹凸もすくないためお掃除もしやすいのですが、価格は従来型に比べ高価になります。また、スペースに余裕があれば、写真のようなトイレ内に手洗いコーナーをカウンターと一体で設置することも可能です。

配管の状況そのものをお客様ご自身でチェックすることはむずかしいのですが、水の出が悪くなってきた、水道料金が急に上がったなどの変化があれば要注意です。ただ、兆候が出てきたときは既にかなり劣化が進んでいる可能性がありますので、早めの対策が重要です。
写真下のものが新規に敷設された配管で、ピンクとブルーがそれぞれ給湯と給水管です。通商ポリ管と呼ばれる、架橋ポリエチレン管で、耐久性が大きく、フレキシブルに曲がるため、地震等の揺れにも強い材料です。配管は工事完了後には隠ぺいされてしまう部分ですので、後々配管経路が分かるよう、写真等に残していただくことをおすすめします。

要介護者のバリアフリー工事は、「住宅改修用助成制度」が適用され、申請により上限20万円のうちの9割が支給されます。介護保険の対象になる住宅改修は、手すりの取付や段差の解消などだけではなく、和式便器から洋式便器への交換や、ドアノブをレバーハンドルにするなど、様々なものがあります。なく、お一人おひとりのお体の動きは違うことや、過剰に動作を補助しすぎると、健常な体の機能も失わせてしまう恐れもあるため、個別に最良のプランニングをする必要があります。